Letter 生理:雄マウスのフェロモンESP1は、特異的な鋤鼻受容体を介して雌の性的受け入れ行動を増強する 2010年7月1日 Nature 466, 7302 doi: 10.1038/nature09142 マウスのさまざまな社会的行動は、鋤鼻神経系を介して作用するフェロモンという化学的シグナルによって制御される。外分泌腺由来ペプチド1(exocrine gland-secreting peptide 1;ESP1)は、雄の涙液中に分泌される7 kDaのペプチドであり、雌マウスの鋤鼻器官の感覚ニューロンを刺激する。今回我々は、鋤鼻系のESP1シグナル解読に関与し、雌マウスの行動出力へ導く分子的および神経的機構について述べる。ESP1は特異的な鋤鼻受容体V2Rp5によって認識され、このリガンド–受容体間の相互作用により、副嗅球を介して扁桃体および視床下部核へ性特異的なシグナルが伝達される。その結果、ESP1は雄のマウンティングに対する雌の受け入れ行動(ロードシス)を増強させ、交尾を成功させる。V2Rp5欠損マウスでは、ESP1は神経の活性化と性行動のいずれも誘発しない。以上の知見は、ESP1はマウス鋤鼻系に存在する特異的な1つの受容体によって雌の生殖行動を制御する、重要な雄フェロモンであることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る