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生理:Brg1によるクロマチン制御は心筋の発生および疾患にかかわっている

Nature 466, 7302 doi: 10.1038/nature09130

心肥大および心不全では、遺伝子発現の転写再プログラム化という特徴がみられる。成体マウスの心筋細胞が本来はαミオシン重鎖(α-MHCMyh6としても知られる)を発現するのに対し、胎仔の心筋細胞はβ-MHCMyh7としても知られる)を発現する。心臓へのストレスは成体で心肥大を引き起こし、α-MHCから胎仔性のβ-MHCに発現が移行する引き金となる。今回我々は、クロマチンリモデリングタンパク質Brg1が、心臓の発達、分化および遺伝子発現の調節に重要な役割をもつことを示す。胎仔ではBrg1は、Bmp10の発現を維持しp57kip2の発現を抑制することによって、筋細胞の増殖を促進する。またBrg1は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)およびポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)と相互作用し、α-MHCを抑制してβ-MHCを活性化することにより、胎仔の心臓分化を維持する。成体の心筋細胞では、Brg1Smarca4としても知られる)は発現されない。この遺伝子は、心臓へのストレスによって再活性化され、胎仔型の結合相手であるHDACおよびPARPと複合体を形成して、α-MHCからβ-MHCへの病的移行を誘導する。Brg1の再発現を阻害すると肥大は軽減され、このMHCスイッチが逆転する。肥大型心筋症の患者の一部ではBRG1が活性化されており、その値は疾患の重症度およびMHCの変化と相関している。今回の研究は、Brg1が心筋細胞を胎仔型の状態に維持することを示しており、Brg1、HDACおよびPARPという3種類のクロマチン修飾因子が協同して発生期および病的な遺伝子発現を制御するという、エピジェネティックな機構を明らかにしている。

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