Letter 免疫:円形脱毛症の全ゲノム関連解析は自然免疫と獲得免疫両方の関与を示唆している 2010年7月1日 Nature 466, 7302 doi: 10.1038/nature09114 円形脱毛症(alopecia areata;AA)は最も一般的にみられるヒトの自己免疫疾患の1つで、毛嚢の免疫特権が崩れてそれに続く自己免疫反応により、外観を損なう脱毛が引き起こされる。AAの遺伝的な基盤はほとんどわかっていない。我々は1,054人の患者群と3,278人の対照群のサンプルについて全ゲノム関連解析を行い、AAと有意に関連している(P≤5×10−7)139個の一塩基多型を見つけた。本研究では、調節性T細胞(Treg細胞)の活性化と増殖を制御しているいくつかの遺伝子、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA4)、インターロイキン(IL)-2/IL-21、IL-2受容体A(IL-2RA;CD25)およびEos(IKAROS family zinc finger 4;IKZF4という別名もある)を含むゲノム領域、並びにヒト組織適合抗原(HLA)領域との関連を示す。さらに、毛嚢そのもので発現している遺伝子(PRDX5とSTX17)を含む領域との関連の証拠をも示す。また、強い関連を示すゲノム領域の1つは、染色体6q25.1のULBP(cytomegalovirus UL16-binding protein)遺伝子クラスター内にあって、過去には自己免疫疾患との関連が示唆されたことがないナチュラルキラー細胞受容体NKG2Dを活性化するリガンドをコードしている。ULBP3の発病過程での役割を検証することにより、AA患者の病変頭皮でのその発現は病気の活動期の毛嚢真皮鞘で著明に亢進していることを示す。この研究は、自然免疫、獲得免疫のいずれもがAAの発病機構にかかわっていることの証拠を示している。我々は、AAの遺伝的基盤を明らかにし、その基盤を自己免疫疾患に共通する経路という状況内に位置付け、そして新しい発病機構としてULBPリガンドの発現亢進による自己免疫の惹起を示唆する。 Full Text PDF 目次へ戻る