Letter

神経:in vivoでの脳の擾乱に対する感度は高ノイズと、皮質での発火率符号化を示唆している

Nature 466, 7302 doi: 10.1038/nature09086

神経活動に変動があり、同一感覚入力に異なる応答を返すことがあるのは周知の事実だが、この変動にどのような意味があるのかを決めるのは難しかった。これが単なるノイズなのか、それとも何らかの重要な情報、例えば生体の内部状態についての情報などを担っているのだろうか。本論文ではこの問題を、皮質神経ネットワークの活動に小さな擾乱を与えて、それが増幅されるかどうかで、ボトムアップ的に検討する。ラットのバレル皮質でin vivo全細胞パッチクランプ記録を行い、1個のニューロンに1発の活動電位を追加発火させるという擾乱を与えたところ、そのニューロンの標的の後シナプス細胞に約28発の追加発火が起こった。細胞内と細胞外の同時記録によると、1個のニューロンの1発の発火は、局所ネットワークの発火率に検出可能な変化をもたらした。理論的な分析では、この増幅は、±2.2〜4.5 mV相当の内因性で刺激非依存的な膜電位変動をもたらすが、これは純ノイズ性の変動であり、何らかの情報を担うことはない。したがって、脳が確実な演算を行うには、発火率符号化を用いるか、シンファイア・チェーン(synfire chains)理論が提案するような非常に大きくて速い脱分極を発生させる必要がある。しかし、我々のin vivo記録では、そのような大きな脱分極はめったに観測されなかった。したがって、今回の知見は、大脳皮質は主として発火率符号化を用いているとする考え方に合致する。

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