Letter 細胞:細胞死の際のオートファジー活性化には、貪食受容体Draperが必要である 2010年6月24日 Nature 465, 7301 doi: 10.1038/nature09127 オートファジーは、飢餓の際に細胞の生存に必要な細胞質成分を分解する働きをする。またオートファジーは細胞死に関係しても起こるが、細胞死の際のオートファジーと細胞が生きている際のオートファジーとを区別する仕組みはわかっていない。ショウジョウバエの唾液腺では、オートファジー遺伝子を必要とするプログラム細胞死が起こり、貪食細胞による唾液腺細胞の貪食は起こらないようである。今回我々は、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)での細胞死の際のオートファジーには、線虫の貪食受容体CED-1のオルソログであるDraper(Drpr)が必要なことを明らかにする。drprのヌル変異や唾液腺特異的ノックダウンにより、唾液腺の分解が阻害される。drprをノックダウンすると、細胞死を起こしつつある唾液腺でオートファジーが誘導されなくなるが、drpr変異体でオートファジー調節因子Atg1を発現させると、唾液腺の分解不全が避けられる。意外にも、drprは自身がオートファジーの開始を調節している細胞死を起こしつつある唾液腺細胞では必要だが、drprをノックダウンしても、飢餓によって脂肪体で起こる生存にかかわるオートファジーは阻害されない。さらに、細胞死を起こしている唾液腺の除去には、保存された貪食経路の成分も必要である。我々の知るかぎり、これは細胞の自己除去に必要な貪食因子の初めての例である。さらにDrprは、細胞の生存に結びつくオートファジーと細胞死に関連するオートファジーとを区別する初めての因子である。 Full Text PDF 目次へ戻る