Letter 免疫:被膜下洞マクロファージは末梢で感染した神経親和性ウイルスのCNSへの侵襲を防ぐ 2010年6月24日 Nature 465, 7301 doi: 10.1038/nature09118 リンパ節(LN)は、体の外側のバリアを破り排出リンパ管に侵入する微生物を捕えて、病原体の全身への広がりを制限する。最近の研究で、LNの被膜下洞(SCS)に存在するCD11b+CD169+マクロファージが、リンパからのウイルスの排除およびウイルスに対する液性免疫応答の開始に非常に重要であることが示されている。今回我々は、狂犬病ウイルスと近縁で、昆虫に咬まれることで伝染する水疱性口内炎ウイルス(VSV)を用いて、SCSマクロファージが、リンパによって運ばれる神経親和性ウイルスの中枢神経系(CNS)への感染防止という第三の重要な役割を果たすことを明らかにする。LNマクロファージを局所的に除去すると、少量のVSVの皮下感染後、約60%のマウスが上行性麻痺を発症し、7〜10日後には死亡したのに対して、マクロファージが十分にある動物は無症状であり、ウイルスは排除された。マクロファージを除去したLNでは、VSVは末梢神経を介して神経系に侵入した。これとは対照的にマクロファージが十分にあるLN内では、VSVは、SCSマクロファージ内で選択的に増殖したが、近接する神経では増殖しなかった。SCSマクロファージの除去により、VSVに対する適応免疫応答は低下しなかったが、感染したLNでのI型インターフェロン(IFN-I)産生が減少した。VSV感染マクロファージは、IFN-Iを産生する形質細胞様樹状細胞をSCSへ集め、しかもVSV感染マクロファージ自身もIFN-Iの主要な産生源であった。骨髄キメラマウスの実験から、VSVの致死感染の防御には、造血系および間質系細胞群(LN内の神経を含む)の両方にIFN-Iが作用していることが明らかになった。これらの結果は、SCSマクロファージは、末梢で感染した致死的な神経系のウイルス侵襲を防ぐ、CNSにとって極めて重要な門番であることを明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る