Letter 細胞:低分子調節性RNAは転写伸張時にRNAポリメラーゼIIを阻害する 2010年6月24日 Nature 465, 7301 doi: 10.1038/nature09095 真核細胞はさまざまな種類の内在性低分子調節性RNAを発現し、それらはヘテロクロマチンの形成、発生上のタイミング、寄生体の核酸に対する防御やゲノム再構成を調節している。低分子調節性RNAの多くは、核で機能すると考えられている。例えば、植物および菌類では、短鎖干渉RNA(siRNA)は新生転写産物に結合し、クロマチンやDNAの修飾を指示している。我々は、低分子調節性RNAの生物学的役割の解明を進めるために、遺伝子スクリーニングを行い、線虫(Caenorhabditis elegans )の核でRNA干渉(RNAi)に必要とされる因子を明らかにした。今回我々は、nrde-2(nuclear RNAi defective-2)遺伝子は、核でsiRNAを介したサイレンシングに必要な、進化的に保存されているタンパク質をコードすることを示す。NRDE-2は核内でArgonauteタンパク質NRDE-3と結合し、NRDE-3/siRNA複合体によって、RNAiの標的となる新生転写産物まで動員される。我々は、核に局在するsiRNAが、RNAiの3′側におけるメッセンジャーRNA前駆体(pre-mRNA)のNRDE-2依存的なサイレンシング、RNAiの標的となるゲノム遺伝子座へのRNAポリメラーゼ(RNAP)IIのNRDE-2依存的な蓄積、並びにRNAiの3′側におけるRNAP II占有およびRNAP II転写活性のNRDE-2依存的な減少を指示することを明らかにする。今回の結果は、NRDE-2が核のRNAi装置の因子であることを明確にするとともに、後生動物のsiRNAは核局在RNAのサイレンシングを転写と同時に行うことを示している。さらに、これらの結果は、siRNAの指令によるNRDE因子の動員が転写伸張時にRNAP IIを阻害するという、RNAP IIによる新たな調節様式を立証している。 Full Text PDF 目次へ戻る