Letter 物理:光用の高効率な量子メモリー 2010年6月24日 Nature 465, 7301 doi: 10.1038/nature09081 光の量子状態を、それが運ぶ情報を壊すことなく、オンデマンドで貯蔵し取り出すことは、量子情報処理の分野における重要な難問である。古典的測定と再構成による光の貯蔵では、ハイゼンベルグ不確定性原理から生じる結果として、量子情報が必ず破壊されてしまう。この不利益が避けられるデバイス、いわゆる量子メモリーの開発には多大の努力が傾注されてきた。これまでのところ、非古典的な貯蔵とオンデマンドでの再現の実証に成功した例では、原子蒸気と平均光子数が1程度の弱い量子状態が用いられていたが、その効率は17パーセント以下の低い値に制限されていた。本論文では、固体媒体を使った光用の低雑音で高効率(最高で69パーセント)な量子メモリーを報告する。このデバイスは、単一光子レベルの弱いコヒーレント状態から最大500光子の明るい状態まで、古典メモリーでは不可能な忠実度で光の貯蔵と再現が可能である。平均光子数が30、またはそれ以下の入力コヒーレント状態の場合、その性能はノークローニング限界を超える。このことは、取り出された入力の情報がメモリーに取り残されたか、あるいは破壊されたものより多いことを保証しており、これは通信への応用に安全性をもたらす特徴である。 Full Text PDF 目次へ戻る