Article 生化学:ジフタミド生合成には鉄–硫黄酵素が生成する有機ラジカルが必要である 2010年6月17日 Nature 465, 7300 doi: 10.1038/nature09138 古細菌および真核生物の翻訳伸長因子2には、翻訳後修飾された独特のヒスチジン残基であるジフタミドが存在し、これはジフテリア毒素の標的となっている。ジフタミドの生合成は3段階で行われると考えられており、その最初の段階は、ヒスチジン残基とS-アデノシル-L-メチオニン(SAM)の3-アミノ-3-カルボキシプロピル基との間でのC–C結合形成である。しかし、この生合成に関して、それ以上の詳細は明らかにされていない。本論文では、古細菌Pyrococcus horikoshiiのジフタミド生合成の最初の段階に新規の鉄–硫黄クラスター酵素Dph2が用いられていることを示す、構造的および生化学的証拠を提出する。Dph2はホモ二量体であり、単量体のそれぞれが[4Fe–4S]クラスターと結合できる。生化学的データからは、Dph2は、ラジカルSAMスーパーファミリーの酵素とは異なり、標準的な5′-デオキシアデノシルラジカルを作らないことが示唆される。その代わりにDph2は、SAMのCγ,Met–S結合を切断して、3-アミノ-3-カルボキシプロピルラジカルを生成する。今回の結果は、P. horikoshiiのDph2が、SAM依存的な新規の[4Fe–4S]含有酵素で、これまで知られていなかった化学反応を触媒していることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る