Letter

進化:生態学的相互作用は生命系統樹全体にわたって進化的に保存されている

Nature 465, 7300 doi: 10.1038/nature09113

生物の生態と進化の双方を理解するうえで、生態学的相互作用は極めて重要である。種の相互作用を調節する表現型形質は基本的に祖先から受け継がれたものであるため、一般に、生態学的相互作用は系統発生的に保存されており、近縁種は類似した相手と相互作用すると考えられている。しかし、既存の経験的証拠は、生態学でも分類学でも偏っているため、生態学的相互作用に系統発生的保守性があるとする仮説を適切に評価するのに不十分である。実際、生態学的相互作用の進化に関する研究の多くは、一部の寄生生物や草食性昆虫など、生命系統樹全体の中の限られた一部分に属する特殊化した生物に集中している。今回我々は、広宿主域性および狭宿主域性の無細胞、単細胞、および多細胞の生物による大規模で多様な相互作用を対象として、宿主利用の進化を調べた。狭宿主域性の相互作用に認められていたのと同じく、広宿主域性の相互作用も進化的に保存されうることがわかった。相互作用パターンの顕著な系統発生的保守性は、相利共生的相互作用や敵対的相互作用においてだけでなく、共生的相互作用や非共生的相互作用でも同じくらいの可能性で生じると考えられた。宿主利用の種間分化の程度は、広宿主域性の程度および系統樹内での分類学的位置とは無関係に、系統発生的に保存された分岐群で高かった。今回の知見は、進化の全期間を通じて、生物系の構成に共通のパターンが存在し、それには分類群間の生態学的相互作用の著明な保守性がかかわっていることを強く示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度