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進化:配列空間とタンパク質宇宙の継続的な膨張

Nature 465, 7300 doi: 10.1038/nature09105

タンパク質の進化では、構造や機能の完全性を保つ必要性が大きな制約となって、受容できるアミノ酸置換の種類が限られている。しかし、この制約によって、相同なタンパク質のアミノ酸配列が互いにどこまで離れたものになるかにもおおよその限界が生じるのかどうかは、まだわかっていない。今回我々は、配列分岐データを使ってタンパク質の進化の限界を探った。系統的に離れたタンパク質でアミノ酸配列の分岐速度を演算処理によって調べる手法を構築し、すべての生物の最終共通祖先に存在した太古からあるタンパク質の分岐速度を測定した。太古からあるタンパク質がいまだに互いに分岐しつつあり、「タンパク質配列宇宙」が継続的に膨張していることが明らかになった。この分岐の速度が遅いのは、機能をもつタンパク質配列が「配列空間」中にまばらにしか存在しないことと、タンパク質の適応度地形の耐久性が高いことによる。つまり、いかなるときでもアミノ酸置換を受容できない部位は98%ほどだが、ほかで代償的な変化が起これば大部分の部位は最終的に進化が許容される可能性がある。したがって、約3.5×109年という年月ではタンパク質の分岐進化が限界に達するには不十分であり、また、大半のタンパク質に関しては、共通の機能によって課せられる配列類似性の限界は、ランダム配列の類似性の限界を超えないものと考えられる。

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