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細胞:TFIIAとトランス活性化因子Rap1が共同して、TFIIDを転写開始に拘束する

Nature 465, 7300 doi: 10.1038/nature09080

真核生物メッセンジャーRNA(mRNA)にコードされる遺伝子の転写はRNAポリメラーゼII(Pol II)によって行われ、これはトランス活性化タンパク質のエンハンサーDNAへの結合によって開始される。この結合によって、シス要素であるプロモーター上に基本転写因子(TFIIA、B、D、E、F、H)とPol IIが集められ、転写開始前複合体が形成されて転写につながる。TFIIDに依存した活性化経路では、TATAボックス結合タンパク質をはじめとする基本転写因子が、アクチベーターとの相互作用を介して最初にプロモーターへと動員され、TFIIAと共同して転写開始前複合体前駆体(committed pre-initiation complex)を形成する。しかし、これらの因子どうしが活性化シグナルを交換する仕組みも、活性化型転写開始前複合体の構造や構成も解明されていない。今回我々は低温電子顕微鏡を用いて、TFIID、TFIIA、転写活性化因子Rap1、酵母のエンハンサー–プロモーターDNAからなる核タンパク質複合体の構造を決定した。この構造から、Rap1とTFIIAのTFIIDへの結合様式と、Rap1との相互作用によって起こるTFIIAの再編成が明らかになった。この位置変化によってTFIID内にあるTATAボックス結合タンパク質の露出度が増し、その結果プロモーターとの結合活性が高まるのだと我々は考える。Rap1結合部位と近位プロモーター領域の間に、Rap1に依存してDNAの大きなループが形成される。このループは、DNA上にかぶさる形になったTFIIA–Rap1が作るタンパク質架橋により、トポロジー的に固定されている。これらの結果は、転写活性化におけるTFIIAの役割を明確にしており、エンハンサー–プロモーター間の情報交換の分子機構が示され、TFIID複合体内で転写活性化シグナルを伝える分子内情報伝達経路について構造面からの手がかりが得られた。

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