オートファジーは進化上保存された過程で、細胞質タンパク質や細胞小器官を代謝作用により分解する。飢餓状態におかれると、栄養応答性のキナーゼであるTOR(target of rapamycin)タンパク質が阻害され、これがオートファジーを誘発する。オートファジーの過程では、二重の膜をもつオートファゴゾームが細胞内成分を包み込んで隔離し、さらにリソソームと融合してオートリソソームを形成する。オートリソソームは内容物を分解して、栄養を再生産する。現在のオートファジーのモデルでは、オートリソソーム中でオートファゴゾームの積み荷が分解されたところでこの過程が終了するとされているが、栄養に応じたオートファジーの調節やオートリソソームがその後どうなるのかについてはよくわかっていない。本研究では、ラット腎細胞でのmTORシグナル伝達はオートファジーの開始時には阻害されているが、飢餓が長引くと再活性化されることを示す。mTORの再活性化はオートファジーに依存しており、オートリソソーム産物の分解が必要である。mTOR活性の上昇はオートファジーを減弱させ、オートリソソームから突き出し、最終的には成熟したリソソームになるプロトリソソーム細管や小胞を作り出し、それによって細胞内のリソソームが十分な量になる。この過程は複数の動物種で見いだされた。したがって、進化上保存されているオートファジー・サイクルは、飢餓の間の栄養の検知とリソソームの恒常性を支配している。