Letter

宇宙:土星の小衛星は主環の粘性拡散によって最近形成された

Nature 465, 7299 doi: 10.1038/nature09096

巨大惑星の標準的な衛星は、ほぼ4.5 Gyr 前に惑星と同時に集積を終えたと考えられている。土星の主環のすぐ外側を軌道運動する小衛星の集団は、力学的に若く(107年未満)、標準的な衛星に対する形成時間スケールと一致しない。これらは、密度も低く(およそ600 kg m−3)、主環と似たスペクトルの特性を示す。これらの小衛星は環の縁で集積したと考えられていたが、これまで計算機の能力不足により形成過程を完全にはモデル化できなかった。本論文では、ロシュ限界(そこを越えると環が重力的に不安定になる距離)を越えて土星の環が粘性拡散して小衛星が生成されるという、混成シミュレーションについて報告する。シミュレーションによって、小衛星の質量分布と軌道構造が再現され、主環の現在の閉じ込めと塵に富んだF環の存在は、粘性進化と衛星形成が結びついた直接的な結果であることが示される。小さな原始惑星系円盤に似た土星の環は、太陽系で最近まで(ほぼ106〜107年前)集積が活発だった最後の場所かもしれない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度