Letter 光学:共振器中の単一原子による電磁誘導透過 2010年6月10日 Nature 465, 7299 doi: 10.1038/nature09093 光学的非線形性によって、光で光を制御するほかにない可能性が得られる。よく知られている例は電磁誘導透過(EIT)であり、光学密度の高い媒質を透過するプローブビームが、制御ビームによって操作される。このような実験を拡張して、光や物質の粒子1個(もしくは少数)の量子領域で行うことで、原子や光子を用いる量子計算プロトコルの実施、あるいは強く相互作用して光の量子相転移を示す光子気体の実現が可能になるだろう。これらの目標の達成は困難であり、共振器量子電気力学で示されるように、物質–光相互作用の増強を必要とする。今回我々は、高フィネス光共振器の内部に準永久的にトラップされた単一原子によるEITを実証する。原子は、光が共振器中を透過するのをコヒーレントに制御できる量子光トランジスターとして働く。また、原子数を1つずつ増加させたときのEITのスケーリングについて調べた。測定されたスペクトルは、理論モデルとよく一致している。EITと量子電気力学および単一の物質量子を統合することは、伝搬光場の光子統計の動的制御や飛行する光パルスのフォック状態重ね合わせの設計など、新しい応用の基礎となると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る