Letter 物理:破裂した薄膜の折りたたみにより発生する娘気泡カスケード 2010年6月10日 Nature 465, 7299 doi: 10.1038/nature09069 石けんの泡などの薄い液膜は容易に作製でき、物理、化学、工学におけるさまざまな輸送過程の媒体となるため、100年以上にわたって詳しく研究されてきた。液体–気体界面や固体–気体界面の気泡(ここでは界面気泡とよぶ)が破裂すると、気泡は消えてなくなると一般に予想される。より正確にいうと、破れた薄膜は急速に収縮して界面に取り込まれ、その一部となる。これは一般に数ミリ秒以内で起こる事象である。破裂した気泡は消えてなくなるという仮定は泡の発達に関する理論の中核であり、気泡が破裂するとエアロゾル液滴が発生するため、健康や気象に関連している。本論文では、広範囲にわたる流体パラメーターに対して、界面気泡は破裂すると消えてなくなるのではなく、多数のより小さい気泡を発生させることを示す。実験と数値計算の両方で、破裂した気泡の湾曲した膜が折りたたまれて、収縮する際に空気を閉じ込めうることが実証された。その結果生じた、閉じ込められた空気のトロイド形状は不安定なため、より小さい気泡が環状に発生する。小さい気泡ほど曲率が大きくて圧力が高く、そのため液体への気体の吸収が増大し、破裂によって生じるエアロゾルの分散効率が高くなる。 Full Text PDF 目次へ戻る