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細胞:バクテリオファージの「兼業」タンパク質が、ブドウ球菌の病原性アイランドを脱抑制する

Nature 465, 7299 doi: 10.1038/nature09065

ブドウ球菌のスーパー抗原を含む病原性アイランド(SaPI)は、染色体に組み込まれた約15キロ塩基の不連続な領域で、ヘルパーファージの誘導によって切り出され複製される。その後、SaPI DNAは高効率でキャプシドに包み込まれてファージに似た感染性粒子となり、極めて高い頻度で属内あるいは属間を伝播する。ヘルパーファージの溶菌増殖がない場合には、病原性アイランドはSaPI遺伝子群の大半の発現を制御するリプレッサーであるStlによってプロファージに似た休止状態に保たれる。本論文では、SaPIの脱抑制を引き起こすのは、ファージにとって必須でない特異的タンパク質の1つであることを明らかにする。このタンパク質は、Stlに結合してStl–DNA複合体を破壊し、それによって病原性アイランドの切り出し–複製–パッケージングというサイクルを開始させる。SaPIのパッケージングにはファージタンパク質が必要なため、このような戦略によって、SaPIはいったんサイクルが誘発されると確実に伝播されることになる。ヘルパーファージ80αによって誘発されるSaPIは数種類あり、脱抑制にはそれぞれ異なる非必須ファージタンパク質が使われる。種々のSaPIリプレッサーとヘルパーファージにコードされる抗リプレッサーとの間の高度に特異的な相互作用は、病原性アイランドの可動化に関して著しい進化的適応が起こったことを示している。

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