Letter 遺伝:ヒトAGO2によるガイドRNA 5′ヌクレオチドの塩基特異的認識の構造基盤 2010年6月10日 Nature 465, 7299 doi: 10.1038/nature09039 microRNA(miRNA)はArgonauteタンパク質(AGO)と会合することにより、転写後の遺伝子制御を行う。古細菌と細菌のAGOホモログの結晶構造から、MID(middle)ドメインがmiRNAガイド鎖のリン酸化された5′末端との相互作用を仲介しており、このような系ではこの相互作用が5′ヌクレオチドが何であるかには影響されないことが示されている。しかし、真核生物miRNAの既知の配列の解析と共免疫沈降実験からは、5′の位置を占めるヌクレオチドが明らかにUあるいはAに偏っていることが示されている。今回我々は、真核生物のAGOタンパク質であるヒトAGO2のMID領域の結晶構造を報告する。miRNAの5′末端を模倣したヌクレオシド一リン酸(AMP、CMP、GMPおよびUMP)との複合体の結晶構造から、UMPあるいはAMPの塩基とMID領域の柔軟性のないループの間に特異的な接触が形成されることがわかった。注目すべきは、ループ構造がCMPおよびGMPを差別することで、これはNMR滴定実験から計算された解離定数によって確認された。AMP(結合定数0.26 mM)とUMP(0.12 mM)は、CMP(3.6 mM)あるいはGMP(3.3 mM)よりも最大30倍高い親和性で結合する。今回の研究は、真核生物のAGOタンパク質のMIDドメインで生じるヌクレオチド特異的相互作用の構造的証拠を提供し、miRNAの5′ではUあるいはAが選択される傾向があるという実験結果を説明している。 Full Text PDF 目次へ戻る