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医学:CD95は腫瘍の増殖を促進する

Nature 465, 7297 doi: 10.1038/nature09075

CD95(FasやAPO-1ともよばれる)は、主に免疫系でアポトーシスの誘導を介して組織の恒常性を調節する代表的な細胞死受容体である。がんが進展する間に、がん細胞におけるCD95の発現はしばしば低下するか、あるいはがん細胞がアポトーシス抵抗性を呈するようになる。それらにより、CD95の減少が、腫瘍の免疫系からの回避機序の1つである可能性が示唆されてきた。しかしながら、CD95の完全な欠損はヒトのがんではまれにしか認められず、また多くのがん細胞は多量のCD95を発現しており、in vitroではCD95を介したアポトーシスに高い感受性を示す。さらにがん患者では、高い頻度でCD95の生理的なリガンドであるCD95Lのレベルが上昇している。これらのデータは、CD95が実際には腫瘍の増殖を、アポトーシスとは異なる経路を介して促進する可能性を示している。今回我々は、がん細胞の最適な増殖は概して、CD95を介したアポトーシスの感受性に関係なく、がん細胞が産生するCD95Lで刺激されるCD95の恒常的な活性化に依存していることを示す。これと一貫して、卵巣がんおよび肝臓がんのマウスモデルで、CD95の欠損によりがんの発生率と腫瘍のサイズが減少する。CD95の腫瘍形成活性は、JNKおよびJunが関係する経路によって媒介される。これらの結果は、CD95が腫瘍発生の間に増殖を促進する役割を担っていることを証明し、またがん治療の際には、この活性を増強するのでなく、阻害する試みを考えるべきであることを示している。

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