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物性:固体におけるスピンモーメントと軌道モーメントの超高速ダイナミクスの弁別

Nature 465, 7297 doi: 10.1038/nature09070

電子のような孤立した量子粒子では、粒子の全角運動量が保存されるならば、軌道磁気モーメント(L)とスピン磁気モーメント(S)は変化しうる。凝縮物質では、電子の相対論的運動に起因するスピン軌道相互作用があるため、LとSの間で効率のよい移動が起こりうる。しかし、これら2成分間の移動はフェムト秒の時間スケールで起こるため、軌道角運動量とスピン角運動量の絶対的寄与を分離することは困難である。今回我々は、超短光レーザーパルスを用いて強磁性薄膜の磁化状態を変えた後、フェムト秒円偏光X線パルスでそのダイナミクスを調べて、そのような現象を検討した。この測定によって、磁気モーメントのスピン成分と軌道成分の分離が可能になり、LとSのダイナミクスが異なることが明らかになった。強磁性膜の超高速レーザー誘起消磁にはスピン軌道相互作用が重要な役割を果たすことがわかり、そのような過程では磁気結晶の異方性エネルギーが考慮すべき重要な量であることも示す。今回の研究結果から、磁気系におけるダイナミクスに関する知見だけでなく、磁気記録媒体における情報の超高速制御への見通しも得られる。

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