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宇宙:火星のボレアレ峡谷の形成

Nature 465, 7297 doi: 10.1038/nature09050

火星の極の層状堆積物には、この惑星で知られている最大の水氷貯蔵層が含まれ、火星の古気候の詳細な記録が明らかにされる可能性があるが、数十年に及ぶ議論にもかかわらず、北極層状堆積物(NPLD)の主要な地形が形成された機構は明らかでない。ボレアレ峡谷は、長さ500 km、最大幅100 km、深さほぼ2 kmの巨大な峡谷であり、その露出部分の層序解析から、初期のNPLDの堆積の後に続いた峡谷形成原因は浸食過程であると広く考えられるようになった。候補となった機構には、水の破壊的な噴出、長期化した底面融解、浸食による側刻、風による下方浸食、そしてこれらの過程の組み合わせがある。本論文では、マーズ・リコネサンス・オービターからの新しいデータを用いて、ボレアレ峡谷が、NPLDの不均一な堆積から主に生じた長寿命の複合的特性をもつことを示す。後にボレアレ峡谷となった初期の谷は、同じような大きさの2番目の谷に匹敵するが、こちらはその後に続く堆積によって完全に埋められて、かつての存在を示す証拠は地表に残されていない。また、NPLDよりも前に存在した地形が、その後の堆積や浸食に影響を与えて、その結果、現在のほとんどの地形が生じたことを示す。破壊的な現象や氷の流れ、極めて集中的な浸食ではなく、堆積過程を通じて達成された質量平衡の長期にわたる大規模なパターンが、火星北極の氷に最大の地形的異常を形成した。

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