Letter 細胞:エフリンB2はVEGF誘導性の血管とリンパ管の形成を制御する 2010年5月27日 Nature 465, 7297 doi: 10.1038/nature09002 発生、組織再生あるいは特定の疾患においては、血管新生性増殖で血管系やリンパ管系の拡大が引き起こされる。これには、内皮細胞の増殖並びに血管新生性出芽が関与しており、後者では血管先端細胞とよばれる一部の細胞が、運動性および侵入性を獲得し、糸状仮足突起を伸ばす。血管新生は、血管内皮増殖因子(VEGF)ファミリーの増殖因子など、組織由来のシグナルが引き金となることが既に明らかにされているが、その結果起こる内皮細胞でのシグナル伝達過程はごく一部しか理解されていない。本論文では、マウスおよびゼブラフィッシュを使った遺伝学的実験で、Eph受容体チロシンキナーゼの細胞膜貫通型リガンドであるエフリンB2が、血管新生中の内皮で出芽と運動性を促進することを示す。我々は、この血管新生促進機能をVEGFシグナル伝達経路におけるエフリンB2の重要な役割と考え、VEGF-Cの受容体であるVEGFR3について詳細な研究を行った。エフリンB2が存在しないと、培養細胞や変異マウスでのVEGFR3のインターナリゼーションが不完全となり、低分子量GTPアーゼであるRac1、Aktおよびマイトジェン活性化プロテインキナーゼErkによる下流のシグナル伝達が損なわれる。我々の結果から、完全なVEGFR3シグナル伝達は受容体のインターナリゼーションと関連することが示される。エフリンB2はこの過程のカギとなる調節因子であり、したがって、血管およびリンパ管新生性増殖を制御している。 Full Text PDF 目次へ戻る