Letter 細胞:eIF5は、eIF2リン酸化による翻訳制御に必要なGDI活性をもつ 2010年5月20日 Nature 465, 7296 doi: 10.1038/nature09003 タンパク合成の開始の際には、GTPと結合した状態にある真核生物翻訳開始因子(eIF)2(Gタンパク質の一種)が、メチオニル開始tRNA(tRNAiMetをリボソームの小サブユニットへと運ぶ働きをする。したがって、あらゆる細胞で、タンパク合成にはeIF2が必要である。栄養素の欠乏、ウイルス感染、記憶形成といったさまざまな局面での翻訳制御には、eIF2のリン酸化(eIF2(αP))が重要な役割を果たしている。eIF5は、リボソーム結合開始前複合体中で、eIF2・GTP・tRNAiMetという三成分複合体のGTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)として開始部位の選択にかかわっている。今回我々は、eIF5の新たな調節機能を明らかにする。eIF5は、翻訳開始が連続して繰り返される際に、不活性なeIF2・GDP状態からのeIF2の再生を調節している。まず、eIF5はeIF2のGDPへの結合を安定化しており、したがって、GDP解離阻害因子(GDI)としても働く二機能タンパク質であることを示す。この活性はGAP機能とは独立に働いており、そのために必要なeIF5中の保存されたアミノ酸残基を同定する。次に、eIF5が、グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)であるeIF2Bの活性を阻害するeIF2(αP)調節複合体の必須成分であることも明らかにする。これらを総合すると、正常な翻訳制御に不可欠な、翻訳開始過程の新しい段階が1つ明らかになる。 Full Text PDF 目次へ戻る