Letter 細胞:酵母ゲノムの三次元構造モデル 2010年5月20日 Nature 465, 7296 doi: 10.1038/nature08973 DNAの塩基配列やクロマチンが伝達する情報の上には、染色体の一部、染色体全体、さらにはゲノム全体をも含む高次構造による情報が重なっている。間期染色体は核内でランダムに配置されておらず、特定のコンホメーションをとっている。異なる種類のDNA要素が共局在して、決まった機能をもつ集合体、すなわち転写やDNA複製用の「工場」が作られる。出芽酵母やショウジョウバエなどの多くの真核生物では、染色体はRabl立体配置をとっており、紡錘極体の近くにあるセントロメアの腕は、核膜に隣接するテロメアのほうに長く伸びている。しかし、染色体のトポロジーと空間的な関係は、まだほとんどわかっていない。今回我々は、染色体内部や染色体間での相互作用の全体像をとらえる方法を開発し、これを用いて、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の一倍体ゲノムについて、キロ塩基の分解能のマップを作製した。このマップはゲノム構造の既知の特徴を再現していたことから、手法の有効性が確認でき、また新たな特徴も見つかった。個々の染色体で、広い領域にわたる高次の折りたたみが観察された。第12染色体は非常に際立ったコンホメーションをとっており、核小体が強力な障壁となって、染色体両末端のDNA配列が相互作用するのを妨げている。染色体間の接触はセントロメアへの係留によっており、転移RNA遺伝子間、初期DNA複製起点間、染色体切断点になる部位間の相互作用もかかわっている。さらに、酵母ゲノムの三次元モデルを作製した。これらの知見は、真核生物ゲノムの形態と機能のかかわり合いを知る手がかりとなる。 Full Text PDF 目次へ戻る