Letter 生化学:遺伝的にコードされた赤外プローブによるG-タンパク質共役型受容体活性化の追跡 2010年4月29日 Nature 464, 7293 doi: 10.1038/nature08948 ロドプシンは、膜貫通へリックスを7個もつ7へリックスファミリーAに属する典型的なG-タンパク質共役型受容体(GPCR)で、薄明視にかかわっている。光は、ロドプシンのレチナール発色団を異性化してへリックス6(H6)が外側に傾きH5がそれより小さく動くなどの膜貫通へリックスの協調した動きを引き起こし、それによってGタンパク質が結合して活性化する部位が作り出される。しかし、このヘリックス再編成の基盤となっている動きの正確な時間的順序と機構は明らかではない。我々は、部位特異的非天然アミノ酸変異導入により、特定部位にp-アジド-L-フェニルアラニン残基を導入したロドプシンを作製し、ロドプシンの活性化が進んでいく際のアジドの振動を赤外分光法を用いて測定した。本論文では、受容体の活性化状態が形成されるずっと前、不活性型の光産物Meta Iでもアジドプローブの静電環境が大きく変化することを報告する。この早期の変化は、H6の相当度の回転とH5の細胞質側部分のH3から遠ざかる動きを示唆している。これに続いて、H6が大きく外側に傾くことにより細胞質内表面が開いて、活性型の受容体光産物であるMeta IIが形成される。したがって、今回の結果はより大きな剛体としてのへリックスの運動に先立つ、早期のコンホメーション変化を明らかにしており、最近報告されたGPCR結晶構造を解釈し、ほかのGPCRの活性化過程で観察されるコンホメーションの準安定状態を理解するための基礎を提供している。 Full Text PDF 目次へ戻る