Letter

物理:原子チップを使った量子計測用の量子もつれの発生

Nature 464, 7292 doi: 10.1038/nature08988

原子チップは、極低温原子気体の実験に関して多用途の量子実験室となり、低次元量子気体、共振器量子電気力学、原子–表面相互作用、そしてチップを使った原子時計や干渉計などの広範囲にわたる実験で使われている。しかし、原子チップの深刻な限界は、原子相互作用を制御し、量子もつれを発生する技術が実験でまだ確立されていないことである。こうした技術は、もつれた体系のチップを使った研究を可能にし、量子シミュレーション、量子情報処理や量子計測に原子チップを応用する際に重要な必要条件となる。本論文では、状態依存のポテンシャルにより弾性衝突相互作用を制御して、原子チップ上に多粒子量子もつれを発生させる実験について報告する。この技術を使って、2つのボース・アインシュタイン凝縮体のスピンスクイーズド状態を発生させた。このような状態は量子計測での有用なリソースになる。−3.7±0.4 dBのスピン雑音低減が観測され、またスピンコヒーレンスがあることから、凝縮体原子間に四者間量子もつれが存在することが示唆された。これを使えば、干渉計測の結果を標準量子限界より−2.5±0.6 dB以上改善できるであろう。我々のデータは、ダイナミカルマルチモードシミュレーションとよい一致を示し、スピンスクイーズド凝縮体のウィグナー関数の再構成を可能にした。ここで報告した技術は、最近開発が進められているチップを使った原子時計に直接応用できるだろう。

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