Letter

物性:AuSi共晶液滴でみられた基板によって強まる過冷却

Nature 464, 7292 doi: 10.1038/nature08986

金属における過冷却現象、すなわち、準安定状態の不規則な流体相の融点をかなり下回る温度での維持から、密度が高く対称的だが非周期的な充填体の局所的原子構造が、結晶核形成の主な障壁として働くと考えられるようになった。固体に接触した液体では、結晶表面が液体中の隣接原子の層形成を誘発し、過冷却を妨げたり弱めたりすることがある。このシード効果は、結晶と接触している液体の最後の原子層に導入された、局所的な横方向秩序に依存すると予想されている。表面誘起横方向秩序と過冷却との間に直接的なつながりがある可能性は示唆されているが、界面でのそのような横方向秩序化の実験的観測は得られていない。今回我々は、金シリコン(AuSi)共晶液滴で、Si(111)基板のAuによって生じた(6 × 6)再構成によって過冷却が強まることを報告する。in situ X-ray散乱とab initio分子動力学から、この界面におけるAu原子の五角形原子配列が、液相の横方向秩序化安定化過程に有利に働くことが明らかになった。界面によって強められる液体状態のこのような安定化は、隣接する液体層の構造にとって固液相互作用が重要であることを示している。流動性や結晶化ははんだ付けや鋳造、またマイクロ流体デバイス向け化学反応の処理と制御や、半導体ナノワイヤの気相–液相–固相成長時に重要な役割を果たすため、このような過程は、現在および将来の技術にとって重要である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度