Article 脳:皮質の層特異的な水平回路を介した横方向の皮質空間の確保競争 2010年4月22日 Nature 464, 7292 doi: 10.1038/nature08935 大脳皮質は、知覚的な周囲環境における異なる特徴を統合することにより、外界の整合的表現を構築している。これらの特徴は、皮質各層にわたって垂直方向に処理されるが、隣り合う皮質領域をつなぐ水平方向の投射により、これらの特徴の文脈依存的な処理が可能となる。水平投射の機能を問う生理学的・心理物理学的研究は多数存在するが、水平投射がどのようにして皮質領域間の活動を協調させているかについては、まだよくわかっていない。今回、この問題に取り組むため、マウス体性感覚皮質の水平投射ニューロンを選択的に活動させ、その結果生じる興奮と抑制の空間パターンが皮質活動にどのように影響を及ぼすかを検討した。水平投射は皮質浅層を抑制すると同時に、皮質深層の出力層を活動させることがわかった。この層特異的な調節は、興奮と抑制の空間的分離によるものではなく、興奮性と抑制性のコンダクタンス比の層特異的な違いによるものであった。この機構により、皮質各領域は水平投射を用いて皮質空間の確保競争を行っている。 Full Text PDF 目次へ戻る