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遺伝:酵母の転写因子結合の変動性に関する遺伝的分析

Nature 464, 7292 doi: 10.1038/nature08934

転写調節の変動は、表現型の多様性の主要原因の1つだと考えられている。同一種の個体間で遺伝子発現には大きな差が認められるが、転写因子の結合の変動性を大規模に検討する研究は行われておらず、そのため、転写因子結合の多様性の程度や遺伝的基盤はよくわかっていない。今回我々は、転写因子結合の個体差をマッピングすることにより、そのような変動の遺伝的基盤を全ゲノム規模で明らかにする。高度に分岐した酵母2株の交配で生じた43の分離株およびその親株の細胞をフェロモン処理し、クロマチン免疫沈降法とDNAシーケンシングを併用して、全ゲノムのSte12結合プロファイルを得た。個体間のSte12結合の変動を詳しく確認し、そうした変動の原因となっているシスおよびトランス作用性の遺伝子座をマッピングした。転写因子結合の変動の大半はシスに関連していることや、多数の変動が、Ste12の結合モチーフおよびSte12の補因子と考えられている数種の分子の結合モチーフに内在する多型に関連することがわかった。また、トランスの因子も、AMN1およびFLO8の2個が同定された。この2つは、α因子処理下で、10を超える遺伝子のプロモーターへのSte12の結合を調節する。これら2つの遺伝子は共に、Ste12を調節することがこれまで知られておらず、遺伝子の活性および表現型の多様性に関与している可能性が考えられる。Ste12の結合は200個を超える遺伝子で、その発現と強く相関しており、これは結合の変動が機能にかかわることを示している。結合が変化する遺伝子の多くは、細胞壁の構成および生合成に関与している。まとめると、本研究により個体間の分子的多様性の遺伝的調節因子が突き止められ、遺伝子調節機構に関する新たな手がかりが得られた。

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