Letter 生化学:結晶構造により明らかになったFTOタンパク質の基質特異性の基盤 2010年4月22日 Nature 464, 7292 doi: 10.1038/nature08921 最近の研究により、脂肪量・肥満関連(FTO)遺伝子と肥満のリスクとの関連は明確になっている。in vitroでFTOタンパク質は、一本鎖DNA中の3-メチルチミジン(3-meT)、あるいは一本鎖RNA中の3-メチルウラシル(3-meU)に強い選択性をもつAlkB様DNA/RNAデメチラーゼとして働く。今回我々は、モノヌクレオチドである3-meTと複合体を形成したFTOの結晶構造を報告する。FTOは、アミノ末端側のAlkB様ドメインと、新規な折りたたみ方のカルボキシル末端側ドメインからなる。生化学分析により、これら2つのドメインは相互作用をしており、これがFTOの触媒活性に必要であることが示された。ほかのAlkBタンパク質の構造とは対照的に、FTOには保存されたゼリーロールモチーフの片側を覆う余分なループが存在する。構造比較から、このループがFTOへ結合する二本鎖DNAのメチル化されていない鎖と選択的に競合することが示され、二本鎖核酸に対するFTOの選択性に重要な役割を果たしていることが示唆される。FTOが、3-meTあるいは3-meUとほかのヌクレオチドとを区別できるのは、3-meTあるいは3-meU上の2つのカルボニル酸素原子との水素結合相互作用によるものである。まとめるとこれらの結果は、FTOの基質特異性を理解するための構造的基盤を与え、またFTO阻害剤の合理的設計の基礎となる。 Full Text PDF 目次へ戻る