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細胞:光合成の循環的電子伝達を駆動する、とらえにくい超複合体の単離

Nature 464, 7292 doi: 10.1038/nature08885

光合成の明反応では、葉緑体のチラコイド膜内に電子の流れが形成され、ATPとNADPHが作られて、これが炭素固定に使われる。電子は2種類の経路を流れる。1つは、水から光化学系(PS)IIとPSIを経てNADP+に至る線形の電子伝達経路(LEF)、もう1つは、PSIの周囲を回る循環的電子伝達経路(CEF)である。CEFは変動するATP需要を満たすために非常に重要だが、CEFにかかわる分子も作動部位もまだ解明されていない。緑藻クラミドモナス(和名コナミドリムシ;Chlamydomonas reinhardtii)では、PSIIだけが選択的に励起されると、PSIIとPSIの間でエネルギーのバランスをとる機構が働いて(ステート遷移)電子の流れがLEFからCEFへと切り替わる。今回我々は、PSIIが選択的に励起された条件下にあるクラミドモナス細胞から、PSIとそれ自身の集光性複合体(LHCI)、PSIIの集光性複合体(LHCII)、シトクロムb6f複合体(Cyt bf)、フェレドキシン(Fd)-NADPHオキシドレダクターゼ(FNR)、膜内在性タンパク質PGRL1からなるタンパク質超複合体を単離した。分光分析の結果、光を照射すると、PSIから流れ出た還元当量がCyt bfへと移動すること、一方、酸化されたPSIはCyt bfからの還元当量によって再び還元されることがわかり、この超複合体がCEFにかかわっていることが示唆された。つまり、PSI–LHCI–LHCII–FNR–Cyt bf–PGRL1超複合体の形成と解離は、2つの光化学系間のエネルギーバランスを調節するだけでなく、光合成の2通りの電子伝達経路を切り替える役割も果たしている。

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