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地球:穏やかで生物活動が活発な始生代の海洋を示すリン酸塩酸素同位体の証拠

Nature 464, 7291 doi: 10.1038/nature08952

チャートの酸素とケイ素の同位体組成や、タンパク質進化の研究結果は、始生代前期の初め(約35億年前)には海洋の温度が55〜85 °Cであったことを反映していると解釈されてきた。しかし、チャートの酸素と水素の同位体組成を結びつけた最近の研究は、始生代の海水温が40 °C以下であったと主張している。海水温はリン酸塩の酸素同位体組成を用いて評価することもできる。最近の研究では、溶存無機リン酸塩の18O:16O比(δ18OP)が、周囲の海水温と共に、低温下での海洋リン循環を支配する生物学的過程をも反映していることが示されている。すべての形態の生命はリンを必要とし、リンを濃縮するので、生物学的過程の結果として、現代の海洋のリン酸塩はδ18OPの値が主に19〜26‰(VSMOW)の間にあり、生成源と仮定されている火成岩中のリン灰石や隕石に特徴的な値である約6〜8‰から大きく変化している。本論文では、32億〜35億年前の年代の南アフリカ・バーバートン緑色岩帯で得られた堆積物中のリン酸塩の酸素同位体組成について報告する。δ18OPの値は、9.3〜19.9‰の間にあり、始生代の岩石に対して報告されている最も高い値を含んでいる。この最も高いδ18OP値から、δ18OP = 0‰の海水と平衡状態にあると仮定して計算した温度は26〜35 °Cの間となる。このより高いδ18OP値は、現代の海洋のリン酸塩の値と同程度であり、始生代の地球ではリン循環がよく発達して生物活動が進化していたことが示唆される。

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