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がん:結腸直腸がんのAPC欠損細胞をアポトーシスの標的とした予防的化学療法

Nature 464, 7291 doi: 10.1038/nature08871

がんの予防的化学療法では、天然、合成または生物学的物質を使用して、腫瘍発生の開始段階、あるいは腫瘍性細胞のがんへの進行のいずれかの、逆行、抑制または予防を行う。この療法では、進行期がんの治療に伴う問題の克服が期待される。しかし、予防的化学療法は、有効性が限定的であること、そして毒性の可能性から、現在のところ広範な適用はなされてはいない。こうした難題を克服するために、今回我々は、前悪性腫瘍細胞を特異的な標的としてアポトーシスに導く、新しい予防的化学療法を開発した。adenomatous polyposis coli(APC)遺伝子の欠損と、それに続くβ-カテニンの活性化が、c-Mycの活性化を介して細胞のカスパーゼ8阻害因子c-FLIP(CFLARとしても知られる)の発現を抑制すること、そして全trans酢酸レチニル(RAc)が腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)細胞死受容体の発現を独立的に増加させ、デコイ受容体を抑制することを明らかにする。したがって、TRAILとRAcの併用は、in vitroで正常な細胞に影響を及ぼすことなく、APC欠損前悪性細胞のアポトーシスを誘導する。さらに、TRAILとRAcによる短期の非継続的な治療は、腸ポリープに特異的にアポトーシスを誘導し、腫瘍の増殖を強く阻害し、多発性腸腫瘍C57BL/6J-ApcMin/J(ApcMin)マウスの生存を延長させることを示す。さらに、この方法によってTRAILとRAcがヒト結腸ポリープの細胞死をかなりの割合で誘導することがわかり、APC欠損細胞を標的としたアポトーシスの誘導が、結腸直腸がんの予防的化学療法として選択可能な方法となる可能性が示された。

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