Letter

生化学:ビタミンB12と内因子が作る複合体の受容体認識の構造基盤

Nature 464, 7287 doi: 10.1038/nature08874

コバラミン(Cbl、ビタミンB12)は細菌が産生する哺乳類に必須の有機化合物で、哺乳類はこれを食餌から取り込んでいる。この取り込みは、460キロダルトン(kDa)のタンパク質キュビリンと45 kDaの膜貫通タンパク質amnionlessからなり、回腸でのエンドサイトーシスにかかわるcubam(キュビリンとamnionlessからなるヘテロ二量体)受容体と胃内因子(IF)との共同作用により起こる。これらのタンパク質のうちのいずれかが機能を失うと、ヒトではCbl欠乏が起こる。本論文では、IF–CblとキュビリンのIF–Cbl結合部位(CUB5–8)からなる複合体の、分解能3.3 Åでの結晶構造を示す。この構造から、複数のCUB(complement C1r/C1s、Uegf、Bmp1の頭文字からの名称)ドメインがモジュール型のリガンド結合部位として集合的に働く仕組みや、2つの異なるCUBドメインが、2つのIFドメインのCa2+依存性の結合によりCbl分子を取り囲む仕組みについての知見が得られる。この二点モデル(dual-point model)は、Cblが間接的にリガンド受容体結合を引き起こす仕組みについての説明となると考えられる。また、Ca2+を結合するCUBドメインと低密度リポタンパク質(LDL)受容体Aモジュールとの比較から、塩基性のリガンドであるアルギニン/リシン残基と、Ca2+が配位した酸性アスパラギン酸/グルタミン酸が静電的に対を形成することが、Ca2+依存性のリガンド–受容体相互作用の共通の特徴であることが示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度