Letter 地球:ケイ酸塩メルトにおける熱拡散による同位体分別 2010年3月18日 Nature 464, 7287 doi: 10.1038/nature08840 熱拡散現象(温度勾配によって生じる質量拡散で、ルードヴィヒ・ソレー効果として知られる)は150年以上にわたって研究がなされてきたが、その物理的基盤の解明はあまり進んでいない。熱拡散を研究するうえでの大きな障害は、その特徴を記述することの難しさである。20世紀に行われた広範な実験によって、ソレー係数ST(定常状態の熱拡散結果を記術する単一のパラメーター)は、多くの要因に極めて敏感であることが立証された。この敏感さのために、単一成分の物質についてでさえ、熱拡散のロバストな特徴付けが極めて困難になっている。本論文では、組成と温度の範囲を広く設定した熱拡散実験から、ネットワーク改質剤となる拡散元素(鉄、カルシウム、およびマグネシウム)の同位体間におけるSTの違いは、組成と温度には依存しないことを示す。この発見に基づいて、STの関数形について加法分解によるものを提案し、局所的な熱力学平衡に基づいた理論的手法が、ケイ酸塩メルトなどの混合溶液中の熱拡散を記述するのに有望であることを示す。この結果から、天然の系や人工の系における熱拡散による同位体分別を特徴付ける、単純でロバストな枠組みが得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る