Letter 地球:32億年前の浅海珪砕屑性堆積物中の有機物壁をもつ微化石 2010年2月18日 Nature 463, 7283 doi: 10.1038/nature08793 始生代に地球上の生命の初期の起源があり多様性が生じたとする考え方については、地球化学的、堆積学的、および古生物学的証拠が増えつつあるが、始生代後期より古い記録の生物起源性や同系性についてはいまだあいまいで、議論が続いている。非生物学的過程によって一部の微化石と同じような形態が生成されることが知られており、また、熱水流体によって炭素同位体値が低下した非生物由来の有機物化合物が生成されることもあるため、明らかに生命の痕跡だと確定することが困難なのである。本論文では、地球最古の潮間帯–河口沖積性の珪砕屑質堆積物である南アフリカのムーディーズ層群の始生代中期の頁岩とシルト岩中で、大きな(最大直径およそ300 µm)炭素質回転楕円状微細構造をもつ集団が発見されたことを報告する。これらの微細構造は、有機物の壁をもった微化石であると解釈される。その根拠としては、それらの内原性および同系性を示す岩石学的および地球化学的証拠、炭素質の組成、細胞状の形態、超微細構造、集団での存在、柔らかい壁の変形にみられる化石生成学的特徴、生命が存在しそうな地質学的状況、さらには生物起源と偽らせる非生物的説明がないことが挙げられる。これは、これまでに報告された中で最古かつ最大の、有機物の壁をもつ回転楕円状の始生代微化石である。この観察結果は、32億年前の沿岸海域の珪砕屑性環境中の透光帯では、比較的大きな微生物が以前に報告された底生微生物マットと共棲していたことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る