Article

遺伝:がんゲノムの変異および選択における特徴

Nature 463, 7283 doi: 10.1038/nature08768

がんゲノムは、体細胞突然変異と選択という2つの過程によって形成される。がんゲノムでのホモ接合性欠失は、劣性がん遺伝子に生じた場合には選択的増殖優位性を獲得し、脆弱な部位に生じた場合にはDNA切断率の局所的増加を反映すると考えられている。しかし、がんゲノムでのホモ接合性欠失の多くは原因不明である。今回我々は、746種のがん細胞株における2,428個の体細胞のホモ接合性欠失を同定した。これらの欠失はタンパク質をコードする遺伝子の11%と重なっており、したがってヒト細胞の生存に必須ではない。我々は、劣性がん遺伝子上、あるいは脆弱部位内にあるホモ接合性欠失を識別するための構造的特徴を導き出した。原因不明のホモ接合性欠失のクラスターにこれを適用すると、その多くは本来脆弱な領域に存在するが、一部は劣性がん遺伝子と重なることが明らかとなった。今回の結果は、がんゲノムにおける変異と選択との影響を識別するために、構造的特徴がどのように使えるかを示している。公開されている数多くのがん細胞株におけるコピー数、遺伝子型同定、配列および発現に関するこの膨大なデータは、将来のがん生物学および創薬の研究にとって有益な情報となる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度