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免疫:in situでのTCR–ペプチド–MHC相互作用は反応速度と親和性の増加を示す

Nature 463, 7283 doi: 10.1038/nature08746

Tリンパ球による外来抗原の認識は、ほとんどの適応免疫応答に不可欠である。この認識は、特異的なT細胞抗原受容体(TCR)が別の細胞上の抗原ペプチド–主要組織適応複合体(pMHC)分子へ結合することによって誘導される。結合が成立して機能する場合には、その相互作用は免疫シナプスの形成を促進する。本論文では、シナプス形成につながるTCR–pMHC結合の動態が、溶液中でのTCR–pMHC結合の場合と大きく異なることを明らかにする。我々は、単分子顕微鏡観察、および蛍光標識を付けたTCRとこれと結合するpMHCリガンドとの間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を用いて、in situでのTCR–pMHC結合の反応速度論的性質の測定を行った。溶液中での測定と比べると、この複合体の解離は大幅に速くなった(4〜12倍)。アクチン重合体の崩壊によりこの影響が認められなくなったので、細胞骨格の動態がこの相互作用を直接もしくは間接的に不安定化することが示唆される。それにもかかわらず、pMHCに対するTCRの親和性は、結合速度が大きく上昇した(約100倍)結果、著しく増大したが、これは相補的な分子の配位と凝集の影響と考えられる。ヘルパーT細胞では、CD4分子がTCRと同一のpMHC複合体に協調的に結合すると考えられている。しかしながらCD4の阻害は、シナプスを形成するTCRの親和性に影響しないばかりでなく、TCR-pMHC複合体の不安定化にもつながらなかった。これは、TCRがCD4に依存せずにpMHCに結合することを示している。

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