Letter 免疫:Foxp3遺伝子内の保存されている非翻訳DNAエレメントが調節性T細胞の運命決定に果たす役割 2010年2月11日 Nature 463, 7282 doi: 10.1038/nature08750 免疫の恒常性は、過剰な免疫応答を抑制する能力をもつ調節性T(Treg)細胞集団の規模に対する厳密な制御に依存している。このTreg細胞サブセットは、転写因子Foxp3の発現誘導によるTreg系列への運命決定が胸腺内で起こった細胞群(tTreg)と、末梢内で起こった細胞群(iTreg)で構成される。我々は、Treg細胞の分化および機能におけるFoxp3の重要な役割から、Foxp3遺伝子座で保存されている非翻訳DNA配列(CNS)エレメントが、Treg細胞集団の規模、構成および安定性を決める情報をコードしているのではないかと考えた。本論文では、マウスでのTreg細胞運命決定における3つのFoxp3 CNSエレメント(CNS1–3)の機能について報告する。ほかに先立って作用する領域であるCNS3は、胸腺と末梢で生成するTreg細胞の出現頻度を大きく増加させるように作用し、in vitro実験系ではc-Relに結合する。これとは対照的に、TGF-β–NFAT応答配列を含むCNS1は、tTreg細胞分化には不要だが、腸管関連リンパ組織でのiTreg細胞の発生に重要な役割をもつ。CNS2は、Foxp3の誘導には不要だが、分裂するTreg細胞の子孫でのFoxp3発現には必要である。Foxp3は、Cbf-β–Runx1およびCpG DNAの脱メチル化に依存して、CNS2に結合する。このことは、この「細胞記憶モジュール」へのFoxp3の動員が、Foxp3遺伝子座の活性化状態の遺伝的維持、ひいてはTreg系列の安定性を促すことを示唆している。総合すると、我々の研究は、Treg細胞集団の構成、規模および維持が、細胞内や細胞外からの異なる刺激に応じて機能するFoxp3 CNSエレメントによって調節されることを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る