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生化学:アミノ酸対向輸送体による基質認識と輸送の機構

Nature 463, 7282 doi: 10.1038/nature08741

極めて酸性度の高い環境では、大腸菌(Escherichia coli)のような腸内細菌は、アミノ酸対向輸送体AdiCによって細胞内のアグマチン(Agm2+)を細胞外アルギニン(Arg+)と交換することでプロトンを排出する。AdiCは、膜輸送体のアミノ酸-ポリアミン-有機カチオン(amino acid-polyamine-organocation;APC)スーパーファミリーに属する代表的なメンバーである。基質を結合していないAdiCの構造から、これはホモ二量体構造であり、各プロトマーは12の膜貫通セグメントをもち、外向きに開いたコンホメーションをとっていることがわかった。AdiCの全体的な折りたたみは、Na+共役型共輸送体のそれと似ている。こうした進歩にもかかわらず、AdiCによる基質(アルギニンあるいはアグマチン)の認識と輸送の仕組みはわかっていない。今回我々は、Argと結合した大腸菌AdiC変異体の、3.0 Å分解能での結晶構造を報告する。正電荷をもつArgは、酸性の結合室に取り込まれており、Argの頭部にある基がAdiCの主鎖の原子と水素結合し、脂肪族部分は高度に保存された疎水的な側鎖の側に集まっている。Argの結合により、膜貫通へリックス6(TM6)には大きな構造再編成、TM2とTM10にはそれよりも小さな構造再編成が起こり、その結果、閉じたコンホメーションをとるようになる。構造解析により、ゲートと思われる箇所が3つ見つかり(4つの芳香族残基とGlu 208が含まれている)、これらは協調して働いて、ArgとAgmの取り込みと放出をそれぞれ区別して制御している可能性がある。

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