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進化:競争が、シロアシマウスの血縁関係の近い精子どうしの協調を推進する

Nature 463, 7282 doi: 10.1038/nature08736

精子競争によって推進される非常に特殊な適応の1つに、精子の協調行動がある。精子は群れを作って協力し合うことで泳ぐ速度を増すことができ、それによって、異なった雄由来の精子間の競争を有利に運ぶことができる。したがって、自然選択は、適応度が最大化する最も血縁関係の近い精子間の協調関係に有利に働くはずである。今回我々は、シロアシマウス属(Peromyscus)の精子が運動性集合体を形成することを明らかにし、この系を使って精子の協調についての予測を検証した。精子は、異種の精子よりも同種の精子と集合する頻度が高いことがわかり、個々の精子が遺伝的な血縁度に基づく識別を行えることが示唆された。次に、この近縁関係にある精子の協調行動が、精子競争によって引き起こされている証拠が得られた。一雄一雌型で精子競争のないハイイロシロアシマウスPeromyscus polionotusでは、精子は血縁関係のない同種マウスの精子とも無差別に群れを形成した。これとは対照的に、高度に乱婚型のシカシロアシマウスPeromyscus maniculatusの場合、精子は血縁関係のない同種マウス由来の精子とよりも、その雄自身に由来する精子と集合体を形成する確率がかなり高かった。シカシロアシマウスでは、両親ともに同じ兄弟マウス由来の精子を用いて調べた場合であっても、近縁度のより高い精子が集合する傾向が引き続いて観察された。これらの結果は、乱婚型シロアシマウスの精子が、血縁関係のある個体間でも識別を行い、最も近縁の精子と協調行動をとることを示しており、この適応は精子競争によって推進されてきた可能性が高い。

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