Letter 物理:高Tc超伝導体の疑ギャップ相における回転対称性の破れ 2010年1月28日 Nature 463, 7280 doi: 10.1038/nature08716 疑ギャップ相の性質は、高転移温度(高Tc)銅酸化物超伝導体を解明する取り組みにおける中心的問題である。根本的な疑問は、温度がT*以下に低下すると生じる疑ギャップ相が始まるときに、どのような対称性が破れるのかということである。偏極中性子回折と極カー効果測定の両方から、時間反転対称性が破れていることを示す証拠が得られているが、それらは互いに大きく異なった温度におけるものである。回転対称性の破れは、低ドーピングでの抵抗測定と非弾性中性子散乱測定の両方、また低温での走査トンネル分光法により検出されているが、T*とのはっきりした関係はみられない。本論文では、ドーピング相図全体にわたって正確にT*で始まる、YBa2Cu3Oyにおけるネルンスト効果の大きな面内異方性を観測した結果を報告する。この異方性は斜方晶格子のCuO鎖が原因ではなく、したがってCuO2面の本質的な性質であることがわかる。疑ギャップ相は、4回回転対称性を強く破る電子状態であると結論される。これは、とりうる状態の範囲をかなり狭め、ストライプ秩序またはネマテック秩序を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る