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免疫:CRISPR RNAで誘導される免疫の自己対非自己の識別

Nature 463, 7280 doi: 10.1038/nature08703

すべての免疫系は、自己と非自己とを見分けて、自己免疫を誘発することなく、侵入異物を排除しなければならない。CRISPR(Clustered, regularly interspaced, short palindromic repeat)遺伝子座は、遺伝子干渉経路を介して、細菌や古細菌をファージやプラスミドDNAの侵入から守っている。CRISPR遺伝子座は、塩基配列が解読された細菌ゲノムのほぼ40%、古細菌ゲノムのほぼ90%に存在し、また急速に進化して新たなスペーサー配列を獲得し、非常に動的なウイルス集団に適応している。免疫には、侵入DNAとCRISPR反復配列の間に位置するスペーサーとの間の配列の一致が必要である。それぞれのCRISPRクラスターは、適応と干渉に関与する40ファミリー以上のタンパク質をひとまとめにしてコードしているcas(CRISPR-associated)遺伝子群と、遺伝学的に連鎖している。CRISPR遺伝子座は、部分的に反復した配列が両側に付いたスペーサー全体を含む小型のCRISPR RNA(crRNA)をコードしている。crRNAのスペーサーは、侵入する「プロトスペーサー」DNAと直接ワトソン–クリック対を形成することで標的を特定すると考えられているが、コードしているCRISPR遺伝子座自体のスペーサーDNAを標的から外す仕組みについてはわかっていない。今回我々は、CRISPRの自己・非自己の識別機構を明らかにした。表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)では、スペーサー配列の外側の特定の位置での標的とcrRNAのミスマッチによって外来DNAが干渉されるようになるのに対して、crRNAとCRISPR DNA反復配列との間に広範囲にわたって形成される塩基対は自己免疫を防ぐ。したがって、このCRISPR系は、crRNAの塩基対形成能力を使って、標的を特定するだけでなく、細菌染色体を干渉から守っている。スペーサー配列外部の相補性の差異は、すべてのCRISPR系に本来備わっている特徴であり、この機構が、すべての免疫経路が直面する自己・非自己のジレンマに幅広く応用できる解決法であることを示している。

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