Article 医学:アロステリック阻害剤とATP結合部位阻害剤の組み合わせによるBcr-Abl標的化 2010年1月28日 Nature 463, 7280 doi: 10.1038/nature08675 我々は、Bcr-AblのATP結合部位阻害剤に対する耐性に打ち勝つ新規な薬理学的方法を探索しており、選択的なアロステリックBcr-Abl阻害剤GNF-2を発見したことを最近報告している。本論文では、溶液NMR、X線結晶解析、変異誘発、水素交換質量分析法を使って、GNF-2がAblのミリスチン酸結合部位に結合し、ATP結合部位の構造動態を変化させることを明らかにする。GNF-2の薬物動態学的性質を改良した類似体であるGNF-5は、ATPと競合する阻害剤イマチニブやニロチニブと組み合わせることでin vitroで耐性変異の出現を抑制し、T315I変異型ヒトBcr-Ablに対して生化学的および細胞レベルの分析で相加的な阻害活性がみられ、マウスの骨髄移植モデルでのin vivo実験でも、この治療しにくい変異型Bcr-Ablに有効であった。これらの結果から、ミリスチン酸結合部位に結合する阻害剤によってBcr-Abl活性が治療に役立つ程度に阻害できることがわかり、また、アロステリック阻害剤あるいはATP競合型阻害剤に対する耐性が、この両阻害剤の併用により克服可能なことも明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る