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認知:音声受容における空気刺激触覚の統合

Nature 462, 7272 doi: 10.1038/nature08572

話し手の顔から得られる視覚情報によって、正確な聴覚受容が増進されたり妨げられたりすることがある。このような聴覚と視覚の流れを越えた情報の統合は機能的画像化研究で既に観察されており、普通は、受容者がこれら2つのモダリティー(感覚)からの事象特異的情報に一緒に出会う頻度が高く、両者の結びつきがロバストなことが原因と考えられている。複数の感覚の統合を理解するには、触覚というモダリティーを加えることが次の段階として重要だと、以前から考えられてきた。しかし、これまでの研究で触覚入力の音声受容に対する影響がみられたのは、受容者が作業課題を自覚しているか、あるいは受容者がクロスモダリティーマッピングを確立するための訓練をあらかじめ受けているという、限定的な状況下においてであった。今回我々は、受容者があらかじめ訓練を受けることなく、聴覚による音声受容の際に自然な触覚情報を統合することを示す。一部の言語音が呼気の小さな破裂を伴う破裂音である(英語の「p」など)ことから、被験者の皮膚の1か所(右手と首のどちらか一方)にごく少量で音が聞こえない程度の空気を吹きつけた。皮膚への空気の吹きつけと同時に聞こえた音節は、破裂音として聞こえる確率が高くなった(例えば、「b」が「p」に誤って聞こえる)。これらの結果は、受容者が事象に関係した触覚情報を、視覚情報の場合とほとんど同じように聴覚に統合することを示している。

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