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地球:チリのチャイテン火山における流紋岩質マグマの急速な上昇

Nature 461, 7265 doi: 10.1038/nature08458

地球の最大級の爆発的火山噴火のいくつかは、流紋岩質マグマによって起こった。しかし、噴火が直接観測されたことがこれまでなかったため、これらの事象は完全には解明されていない。チリの北パタゴニアにあるチャイテン火山は、2008年5月1日に、予想に反して突然流紋岩質マグマを爆発的に噴出した。チャイテン火山周辺の住民は、灰が町に降る約24時間前に地震を感じており、噴火はプリニー式噴煙柱へと拡大した。玄武岩質の爆発的大噴火の前に短時間の地震の前触れが起きることはこれまでも報告されているが、珪長質マグマについては先例がない。前兆となる火山の不安定性は、マグマだまりから表面へのマグマの移動に関連しているので、チャイテン火山で噴火前に短い前触れがあったことは、地下の火山系を通ってマグマが極めて急速に上昇したことを反映していると考えられる。本論文では、チャイテン火山では水を含む流紋岩質マグマが秒速1メートル程度の速度で急上昇したことを示す、岩石学的および実験的データを報告する。このような急上昇は、5キロメートルより深いところのマグマだまりから地表付近までの移動時間が4時間程度であったことを意味している。流紋岩質マグマは急速に上昇し、将来の噴火では警報を発することがほとんどできない可能性があるため、この結果は防災に影響を及ぼすと考えられる。

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