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気候:南西太平洋の古第三紀初期の水温変化

Nature 461, 7265 doi: 10.1038/nature08399

現代と比べて、始新世初期(約56〜53 Myr前)の南北方向の温度勾配は異常に小さく、赤道域ではやや暖かく、亜熱帯性の北極と中緯度域の気候は非常に暖かかった。始新世の終わり(約34 Myr前)までには、最初の大規模な南極氷床が出現し、大規模な寒冷化が生じたことを示唆している。それにもかかわらず、この氷室気候への地球規模の遷移は、南半球高緯度域の新生代の気候変動を描くのに数少ない温度記録しか使えないことから、まだ十分にしぼり込まれていない。本論文では、東タスマン高原(古緯度約65° S)の海洋堆積物コアから、ほかにない連続性をもち、年代層序がよく校正された海面水温(SST)のTEX86記録を示す。南西太平洋のSSTは、始新世初期(約53 Myr前)に現代の熱帯の水温を超えて約34 °Cまで上昇し、始新世後期初期(約36 Myr前)までに約21 °Cまで徐々に低下したことを示す。今回の結果から、始新世初期(55〜50 Myr前)には、亜赤道域と亜極域間のSSTの緯度勾配がほとんどなかったと考えられる。その後、緯度勾配は顕著に増加した。理論的には、始新世の寒冷化が主に大気中温室効果ガス濃度の低下によって駆動されたとするなら、より高い緯度域でより著しい寒冷化が起こったことを考えれば熱帯のSSTが相対的に安定であったことの説明に、別の過程がさらに必要となる。

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