Letter 光学:後方散乱のない一方向性トポロジカル電磁状態の観測 2009年10月8日 Nature 461, 7265 doi: 10.1038/nature08293 凝縮系物理学において最も印象的な現象の1つとして挙げられるのが量子ホール効果であり、これは、電子が存在する面に対して垂直に高磁場が印加された二次元電子系で生じる。そのような条件下では、電流は系のエッジ(境界)に沿って、いわゆるカイラルエッジ状態(CES)の電子によって運ばれる。これは、バルク電子帯構造の非自明なトポロジカルな性質の結果として、唯一の方向性をもち、乱れによる散乱に対してロバストな状態である。最近、そのような電子エッジ状態の電磁版が、フォトニック結晶、つまり通過する光の波長と同程度の周期で屈折率が変化する物質で観測される可能性が、理論的に予測された。今回我々は、マイクロ波領域で作製された磁気光学フォトニック結晶での、そのような電磁CESの実験的実現および観測について報告する。電子CESと同じように、電磁CESは一方向にのみ進むことができ、乱れによる散乱に対して非常にロバストであることが実証された。また、伝搬するエッジモードの経路に大きな金属散乱体を置いても反射が起こらないことがわかった。これらのモードによって、新種の電磁デバイスの作製や、従来の相反フォトニック状態だけを用いては不可能と思われた実験が可能になるかもしれない。さらに、我々のフォトニックCESの実験的実証や研究結果は、古典的な系やボーズ粒子系に対するトポロジカル・バンド理論の一般化と応用の強い裏付けとなる。またそれにより、電子系で通常可能となる方法よりも概してはるかに制御性がよく、目的に特化可能な方法で、トポロジカル現象が実現、観測できるようになる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る