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細胞:ウイルスDNAパッケージングモーターの基質相互作用と無差別性

Nature 461, 7264 doi: 10.1038/nature08443

タンパク質のASCE(additional strand, conserved E)スーパーファミリーを構成するのは構造の類似したATPアーゼで、これらはあらゆる生物でタンパク質や核酸の代謝や輸送などの細胞のさまざまな活性にかかわっている。このような酵素の一部は、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルスや尾のあるバクテリオファージでのゲノムパッケージングなどの過程でDNA輸送を行う、環状の多量体ポンプである。その機械化学的変換機構については解明が始まっているが、これらのモーターが基質である核酸に結合する機序はほとんどわかっていない。モーターが、リン酸や塩基といった単一のDNA要素1個と接触するのか、それともDNAのいくつかの部分にまたがって接触するのかという問題が未解決である。また、これらの接触の機械化学サイクル中での役割も不明である。今回我々は、枯草菌のバクテリオファージΦ29のゲノムパッケージングモーターを使って、これらの疑問の解明に取り組んだ。このモーターのATPアーゼは、gp16(gene product 16)の環状五量体で、その完全な機械化学サイクルは2つの段階、つまりATPが結合した状態と、それに続いて一気に起こる、歩幅2.5塩基対(bp)での4回の移動からなり、加水分解産物の放出が移動の引き金となる。さまざまな修飾DNA基質をモーターに与え、ATP結合状態の間に、5′-3′鎖上に10 bpごとに存在するリン酸基の隣り合うものとの間にパッケージングの方向に沿って重要な接触が形成されることを明らかにした。リン酸基とのこの相互作用は、長寿命の安定した接触をもたらすだけでなく、化学サイクルの調節も行う。これに対して、急激な移動段階では、広範な接触がもたらす大きな力に逆らってDNAの移動が起こる。この接触作用の一部はDNAの化学基に対する特異性をもたない。このように雑多で非特異的な接触が、ASCEスーパーファミリーに属する核酸トランスロカーゼ、タンパク質トランスロカーゼの両方に共通するトランスロカーゼ-基質相互作用を表しているのかもしれない。

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