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神経:神経突起の自己と非自己のロバストな識別にはDscam1の数千種のアイソフォームが必要である

Nature 461, 7264 doi: 10.1038/nature08431

ダウン症候群関連細胞接着分子(Dscam)遺伝子は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属するニューロン細胞認識タンパク質をコードしている。ショウジョウバエでは、Dscam1から、それぞれが免疫グロブリンの可変ドメインの半分または全部をコードしている3つのエキソン集団の選択的スプライシングによって、19,008種類の異なる細胞外領域が作られる。同じアイソフォームどうしは互いに結合するが、これらの免疫グロブリン可変ドメインのどれか1つでも異なるアイソフォームとはめったに結合しない。向かい合った膜上のアイソフォームどうしの結合では、神経突起間の反発が促される。アイソフォームの多様性が、神経突起の自己忌避の分子基盤となっている。自己忌避とは、同一ニューロンから出た細胞突起の分枝(自己枝)どうしが、互いを選択的に避ける傾向を指す。この反発が自己枝に限って起こるように、各ニューロンは偏りのある確率的なやり方で、異なるアイソフォームのセットを発現するようになっている。遺伝学的な研究から、Dscam1の分子多様性がハエ脳のニューロン間結合に重要な役割を果たすこともわかっている。本論文では、非自己枝が誤って相互認識してしまうことを避けるための識別システムにはいくつくらいのアイソフォームが必要かを示す。相同組み換え法を用いて、可能なアイソフォームの数を12、24、576または1,152種類に限った変異をもつハエを作出した。4,752または14,256種類のアイソフォームをコードする、欠失変異をもつハエについても解析した。分枝の表現型を3クラスのニューロンで評価した。可能なアイソフォームの数が増えるごとに分枝パターンの改善がみられたが、これはアイソフォームの種類とは関係がなかった。1,152のアイソフォームをもつと考えられるハエでは相当な分枝異常が認められたが、4,752のアイソフォームをもつハエは野生型対照群と区別できなかった。数学的モデル研究も、多数のニューロンのDscam1の個別性獲得を保証するのに数千種のアイソフォームが必要だとする今回の実験結果と一致していた。したがって我々は、自己忌避の際に自己および非自己を区別するロバストな識別機構をニューロンに与えるには、数千種のアイソフォームが必須であると結論する。

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